単振動入門

解説

■単振動の式と動きに関する問題の解説です。

 

この問題は、数式だけに頼らず、

単振動の動きを感覚的に

理解することを目的としています。

すべてが

必須の基本問題ですので、

しっかりと理解しておきましょう。 

 

問題はすべて、
単振動の中心での速度、

端で初期速度が0のような

条件のもとに作られています。

この条件下では、

式を感覚的に導くことが可能です。

また、sin と cos の式に

慣れることも目的の一つです。

  

初期条件が

中心以外に速度がある場合などは、

一般解から求めることになるので

注意が必要です。

一般的な式の求め方は、

次の演習で学びます。 

 


a.

1)、2) 中心から、

d縮めて速度0で

単振動を開始します。

 

初期条件は、

t=0で、x = - d 、v=0になります。

振動の折り返し位置になるので、

振幅はdです。

ちょっと動いたことを考えると、

位置は、x =- dから、x=0に向かい

速度は v=0から+向きに

速度が増えます。

これをsin、cosのグラフ

最大、最小値で

T/2毎に折り返すような

グラフにします。 

 

3) グラフから

位置は、-cos

速度は 、sin

だとわかります。

sin 、 cos の正負を

間違えないように式化します。

 

4) ωT = 2π は定義です。 

ここからTを求めます。

vはxの微分

cosの微分は- sinなので、

v = - dωsin(ω t) となり V1と比較します。

 

5) グラフから求まります。

ばね最大は、x = dなので、 

t = T/2 になります。

T = 2π/ωより求めます。

t = π/ω 

角度で考えるとθ=πの時なので、

t = π /ω としてもよいです。

速さもt = π /ωの時を読み取れば、

v = 0です。

もちろん、折り返し地点なので、

v=0は、わかります。

 

 

6)も同様にグラフから求めて、

t=3T/4の時です。

速度最小は中心位置になるので、

x=0です。

速度最小値は

v=-V1 = - dωです。

 


b.

1) 2) 初期条件は、

t=0、 x=0 、v= ―V

速度はーVです。

ちょっと動いたことを考えると、

x<0で、x=-dに向かい

v<0で、v=0に向かいます。

Oに戻るのは、T/2なので、

この区間でグラフ化します。 

 

3) グラフから

x = ― dsin(ωt) 、 v = ― Vcos(ωt )

がわかります。

 

4) xを微分

sinの微分はcosなので、

v = ― dωcos(ωt )

V = dωよりdを求めます

 

5) x = ― dの時を

xのグラフから求めて

t = T/4

vのグラフもしくは、

振動の折り返しなので、

v = 0 

 

6) Oに戻るのは、

t = T/2で、

v=V = dω

となります。

 


c.

1) グラフから

初期条件は

x = 2d、v=0

とわかります。

よって、

2d伸ばして、静かにはなすとなります。

 

2) グラフを式化して

x = 2dcos(ωt) 、v = ― V1sin(ωt)

 

3) x微分、

cosの微分は ―sinより

v = ― 2dωsin(ωt) 

比較して、

V1 = 2dω

 

 

4) 2d縮んだは、

x = ― 2dなので、

xのグラフから

t = π/ω

2dは振幅なので、

振動の折り返し

なので、

v = 0

 

5)

x= ―dをグラフから読み取ると、

 グラフから大体はわかりますが

正確な時間はわかりません。

xの式はわかっているので、

計算します。

x= ―dより 

t = 2π/3ωになりました。

vも正確にはわからないので、

vの式にt = 2π/3ω を代入して、

vを求めます。 

 


d.

中心が自然長位置ではありません。

しかし、

単振動は中心から

振幅間を動く運動なので、

中心からの位置関係

(原点が中心)であれば、

今までと同じです。

 

1) 2) 初期条件は、

t=0で、 x = -2d、v= 0です。

今までと同じように

グラフを作成します。

3)4) も同様なので、計算してみましょう。

 

5) 初めて最大速さは、

vのグラフで、

最初に最大値になるのは、

 t = T/4の時です。

xのグラフもしくは、

速さが最大になるのは、原点なので、

x = 0です。

 

6) 

cの時と同じで、

グラフから時間を求めることはできません。

計算で、求めます。

x = d を xの式に入れ

時間と速度を計算します。

 


単振動と式が

感覚的につかめれば

単振動の問題は

かなり解けるようになります。

 

次は、いろいろな

問題を解いてみましょう。

 

単振動演習問題