コンデンサ

演習問題解説

a・b・c:標準問題
d・f:難問
e:あまり見かけないタイプの問題で、

出題されると戸惑う可能性がある問題

 

全体的に難易度は高めですが、

基本的な解法の流れは共通しています。
すべての問題に対応できるようになれば、

回路を除いたコンデンサの分野に関しては

十分な実力がついたと言えるでしょう。


a.

直接解答する問題ですが、

忘れることもあるので、

Qを置いて導けることが

大事です。

今までのように、Qを分けて

計算してもよいですが

上記のことは利用したほうが

効率的なので

利用していきましょう。

理由は今まで、

やった問題にあります。

外側の電場=0なので、

大外の電荷=0です。

向かい合う電荷は

大きさが同じで±になります。

この状況で、Eの大きさになります。

大外電荷=0

向かい合う電荷の大きさ同じを利用すると

図の電荷の状況になります。

BとCの電荷の和=0は

問題に書いてあります。

これにより、

BとCの間の電荷もわかります。

極板間の電場は全部

QDによるものになり

同じ大きさになります。

電圧 = 電場×d×3

よりQDが求まり

全部求まります。

Sw1を開く⇒

DとAの電荷は変わらない

事になります。

Sw2閉じる⇒

CとBの電位が同じ⇒

CとBの間の電圧0

電場の大きさ=0⇒

CとBの間の電荷=0

になります。

DとC,

AとB間の電荷の大きさは同じ

なので、

電荷の状況がわかります。

ほぼ

計算せず終了です。

Sw1を閉じ電圧Vにするので、

AとDの電荷は新しく

なります。

外側=0

中側は大きさ同じです。

Sw2開く⇒

BとCの電荷は変わらない事になります。

注意としては、

Bの電極の上と下の

割合は変わります。

あくまで和が変わらない。です。

CとBの外側は確定します。

CとBの内側は不定になるので

新しく電荷を建てます。

 

電場の大きさが決まるので

同じように

電圧=各電圧の和より

関係式ができます。

電荷保存の式と組み合わせて

電荷を求めます。

電荷がわかっているので

計算問題です。

U = 1/2QVで求めます。

電気容量は3つとも同じなので

U = Q^2/2C

でも良いです。

間違えないように計算します。

途中

Q" = 4qがありますが

計算式を見て代入しました。

そのまま気にせず

やっても問題ありません。

 

このような問題を抵抗なく

計算し全問正解することを

目指してください。

20点分ぐらいあるので

結構大きい配点です。

 

b.

bにQ,aに―Qとし、

スイッチすべて開いて、

a-b間の電気容量Cを

まず求める。

SW2を閉じると、

閉じた電極は

等電位になり、

等電位の間の

電場=0になります。

電圧を求めて

電気容量を求めます。

Sw1,Sw2を閉じ、

aの等電位を赤

bの等電位を青

とする。

(電位青-赤)を電圧Vと

すると、

図の電圧状況になります。

極板間d、電圧Vが

すべて同じなので、

電場も同じ

電荷も同じ。

Vの電荷を求め、

bの電荷Qは3個分より

電気容量が求まります。

 

c.

電荷を求めます。

電源はずすと

電荷は同じです。

真空の電場は変化しません。

誘電体内の

電場が変化します。

電位=Exで求まります。

0 < x < d/2の時

E = E2

d/2 < x < dの時

E = E1

でグラフを描きます。

 

再び、Vにして

電荷をQ1として

電場から電圧を求めます。

Q1を求めます。

誘電体の電荷をQA

真空の電荷をQBと

します。

電源をはずすと電荷は変わらないので

Q = QA+QBです。

左右の電圧は同じなので、

左右の電場の大きさは同じになります。

この条件から

QAとQBの条件が求まります。

Q=QA+QB

よりQAが求まります。

QBを求めてもよいです。

ここからE3を計算します。

6)の電位差= E3dです。

 

6)までの計算を再度

し、求めてもよい。

6)から電気容量が求まるので

電気容量から求めます。

 

d.

Cが与えられ、d,ε0が使えません。

Cで代用するので、

Cを求めておきます。

公式として覚えておきましょう。

忘れても、導けるようにしておきましょう。

並列の電気容量は和で

求めるのが効率的なので

利用します。

問題文の誘電率は

(1+k)ε0 ということです。

2)

回路で演習しますが、

S閉じた直後は、電荷0

なので、

コンデンサの電位は

Q/Cより、0になります。

V = RI+0より電流を求めます。

3)

十分時間がたつと、

コンデンサの電荷が移動しなくなるので、

コンデンサを流れる電流は0

になり、回路を流れる

電流は0になります。

抵抗の電圧=0より

電荷を求めます。

電気容量は1)で計算済です。

1)でそれぞれの電気容量は出しています。

電圧もVなので、

比を計算します。

誘電体を挿入する時の

電気力を求めます。

エネルギー保存則を利用するのに

必要な仕事、エネルギーを求まめます。

5) 電池の仕事は電荷の変化×起電力

6) コンデンサの静電エネルギーの変化です。

V固定なので、この形です。

直接1/2QVでも良いです。

5)の計算結果を用いると楽です。

エネルギー保存則を利用します。

まず外力の仕事を求めます。

回路に抵抗があるので、

本来は抵抗の仕事も考える必要があります。

以下の分

ゆっくりと𝒙+𝚫𝒙まで移動させた

⇒電圧V一定になるので、

WRは考えません。

5),6)もV一定として

計算しています。

従って、

外力の仕事が求まり、

外力を求めます。

想定通り、

外力は負で外側に引っ張る力になり

電気力は大きさ同じで

向き反対なので、

+x方向になります。

 

ここで、終わりですが、

電池をはずしてxを移動させる問題もあります。

計算してみるとよいでしょう。

 

e.

コンデンサの電荷状況を求めます。

1.外側に電場=0⇒外側の電荷0

2.向かい合う電荷は大きさが等しく符号逆

のルールで図のようになります。

求まった電荷から電場の大きさが求まります。

基本問題のb.のように求まることもできます。

例としてAとPの間E2が和で求まります。

Pでの電場の大きさは、

Aが作る電場とBが作る電場の和です。

E2+E3ではありません。

電気力を求めます。

Pに働く外力は、2)の電気力と、重力です。

運動方程式を求めます。

加速度一定より

運動エネルギーの差=外力の仕事や

速度差の公式などで

Bでの速度を求めます。

 

Bにたどり着かないのは、

VBが存在しなければよいので、

√内が<0が条件になります。

 

f.

電気引力での単振動の問題です。

[1]

電気引力は F = 1/2 QE です。

1) ~ 3) で、外力の仕事から求まる問題です。

1) 、2)を求めます。

外力を求めて、電気引力を求めます。

F = 1/2 QE になってます。

 

[2]

Qを求めます。

電池を取り除くので、

Qは変化しません。

電気引力は[1]を利用します。

Qが変化しないし、

幅に関係ないので

一定になります。

ばねの伸びの軸から

間違えないように求めます。

つり合いの位置から

つり合いのばねの伸びをもとめて

運動方程式を求めます。

単振動になりました。

単振動の問題を

6) 7) で解きます。

6)

単振動でずれがあるので、

kでくくります。

中心を求め周期を計算します。

7) 位置確定パターンなので、

求めているのは、逆の最大値のことなので、

振幅の2倍が答えになります。

 

単振動がよくわからない場合は

単振動を見てください。

[3]

[2]までで終わる問題が多いですが、

V変化なしの問題まであります。

V変化なしの場合は、電荷が変わることになります。

y位置での引力を計算します。

3) 4)同様に、引力が求まります。

8) の計算結果から

評価します。

そのまま振幅を求めることは

難しいです。

yの評価から、

今回の電気引力と[2]の電気引力の

大きさの評価が来ます。

ばね、重力は電圧の変化に関係ないので、

降下位置の評価ができます。