非線形素子やダイオード素子など扱う
回路となり,すべて難問の部類に入ります。
しかし、
電流と電圧の関係がグラフで与えられている
ことに慣れれば、これまでと同じ回路問題となり、標準的な問題といえるでしょう。
ここにある問題で慣れ、
同様の問題で演習していきましょう。
非線形抵抗(Rが一定ではない)素子を含む
回路の問題です。
グラフから電流や電圧を読み取ります。
このとき、素子を流れる電流と電圧の関係式
との交点で求めることが多いです。
電流と電圧の関係式は、多くの場合、
回路方程式になります。
この式とグラフの交点を求めればよいことになります。
この問題で注意すべき点は
1.回路全体を流れる電流を利用しない。
同じ場合もありますが、素子を流れる電流にすることに注意してください。
2.読み取りにくい値が解答となる場合も
頻繁にあります。
したがって、
「読み取った結果が付近だから〇」と判断することは絶対に避けてください。
関係式を満たさない読み取り値は、
すべて不正解(×)となります。
演習の際に、読み取った値をそのまま解答し、答え合わせのときに「付近だから正解」としてしまうと、
実際のテストでは不正解になってしまうので
注意してください。
特に、
読み取り値がグラフの罫線上にない場合は、出題者が意図的にそう設定していることが多く、
誤答を誘っています。必ず覚えておきましょう。
回路方程式から、50Vの時の
電流を読み取れば良いことになります。
100V時で1.0Aは×です。
素子の電圧で読み取りましょう。
読み取り値については、関係式が無いので
付近でも問題ありません。
電力は、VIなので、積から計算します。
素子を流れる電流を I₁ として
回路方程式を作成します。
次に、関係式とグラフの交点を読み取ります。
直線の場合は、
切片を用いた式の形で表しておくと
直線が引きやすくなるため、
活用するとよいでしょう。
交点の値については、
必ず関係式に代入して
正しいことを確認してください。
同じように、
素子を流れる電流を I₁ として
回路方程式を作成します。
並列回路なので電圧が同じになることから、
各素子に流れる電流は等しくなります。
したがって、抵抗を流れる電流は 2I₁ となり、
これを用いて関係式を作成します。
次に、関係式とグラフの交点を読み取ります。
同じように、
素子を流れる電流を I₁ として
回路方程式を作成します。
この場合、
1つの素子の電圧が単独では決まらず、
電圧の和による関係式になります。
問題によっては、
与えられた条件を使って関係式を補う
必要がありますが、
この問題には追加条件はありません。
ここで注意が必要です。
電流は共通なので、ある電流値を決めれば
各素子の電圧が自動的に決まります。
したがって、右図のように「電圧の和」を示す概略グラフを作成し、
このグラフと回路方程式の交点を
読み取ります。
同じように、
素子を流れる電流を I₁ として
回路方程式を作成します。
この場合、素子が異なるため、
L₂ を流れる電流は I₂ とします。
電流の和による関係式になります。
この問題では電圧が共通なので、
ある電圧値を決めれば各素子の電流が自動的に決まります。
したがって、右図のように「電流の和」を示す概略グラフを作成し、
このグラフと回路方程式の交点を
読み取ります。
ただし、
この場合、交点の値は読み取りにくいです。
グラフの交点を曖昧に「この辺りだから正解」と判断してしまうと、
入試では誤答となります。
必ず関係式に代入して確認し、正しい値を解答してください。
同じように、
素子を流れる電流を I₂ として
回路方程式を作成します。
しかし、
この場合は R が変数となるため、
直線が定まりません。
ほかの情報を確認すると、
電力に関する条件が与えられているので、
これを検討します。
VI=一定 という素子の関係式になり、
これは双曲線の形をとります。
したがって、グラフを描くことができ、
このグラフと回路方程式の交点を
読み取ります。
最後に、読み取った値を回路方程式に代入して、抵抗 R を求めます。
抵抗以外でも、対称性は成立します。
対称性に気が付かないと
正解することは困難です。
L1の電流をI1,Rの電流をIとして、
回路方程式を作成します。
2式から、Iを削除して
I1,V1の関係式にします。
グラフから交点を読み、
関係式に代入して
成立することを確認して
Iを計算します。
同様に電流を設定します。
rに流れる電流=0、等電位
になります。
回路の対称性から
I1=I2がわかります。
関係式を作り、
グラフから交点を読み、
関係式に代入して
成立することを確認して
I1,V1から、電源電圧を計算します。
2) でも使いましたが、
回路の対象性を確認します。
L1,L2は同じ素子なので、
対称性がわかり、
素子に流れる電流は同じになります。
対称性を利用して
回路方程式を作成します。
素子の電流、電圧の関係式になることに
きおつけて、直線の式と
グラフの交点を読み取ります。
rを流れる電流を計算します。
a->bが正として電流を決めているので
そのままの値で回答します。
p側が高電位のときには電流が流れ、
n側が高電位のときには電流は
ほとんど流れない素子です。
問題によって、
電流が流れるときの電圧vaは異なりますが、
電流が逆向きになることはありません。
間違えやすいポイントとして、
電流が流れないときでも電圧が 0 になるとは限らず、
負の値をとる場合があることに注意してください。
ダイオードに流れる電流、電圧を設定して、
回路方程式を作成します。
関係式から、グラフの交点を読み取り、
ダイオードでの、電流、電圧を読み取ります。
電力はIVで計算します。
電流が流れているときから、
電流が流れなくなったときを考えます。
したがって、
条件はi=0、v=0のときでよいです。
この条件をもとに回路方程式を作成し、計算を進めましょう。
さらに抵抗を減少させていくと、
ダイオードの電圧は負になります。
抵抗 R を代入して計算すると、
ダイオードの電圧が求められます。
解答は電圧なので、正としています。
グラフのメモリなどに負もあるので、-0.8としても良いです。
スイッチがxの位置にあるとき、
回路はダイオードと抵抗の
直列接続になります。
ダイオードの電流と電圧を
それぞれI,Vとして回路方程式を立て、
さらにグラフに示された電流と
電圧の関係式を用いて電流を求めます。
同様に、
コンデンサに電荷を設定して
回路方程式を立てます。
十分時間が経つと電流は0となり、
このときダイオードの電圧はVaになります。
ここから電荷を計算します。
静電エネルギーは、
求めた電荷を用いて計算できます。
また、消費エネルギーは
エネルギー保存則に基づいて求めます。
回路方程式を立てて計算します。
十分時間が経過すると、コンデンサの電流は 0になります。
このとき、ダイオードの電圧が 0 となり、
あとは計算を進めることで電荷を求めることができます。
まず、ダイオードの電位を考えてみましょう。
切り替え直後はコンデンサの電荷が
そのまま残っているため、
XY間の電圧は2E となります。
このとき、Xの方が電位が高いため、
電流IAは0のままとなります。
以上を踏まえて、それぞれ代入し、
計算を進めていきます。
この場合も、
ダイオードの電位について考えてみましょう。
十分な時間が経過するまでに、
Yの電位が
Xの電位より大きくなることはありません。
したがって、常にIA = 0となります。
このことから、
XからYへ電流は流れず、
電荷保存則が成立します。
そこで、
この保存則を利用して電荷を計算します。