電位と電場

問題解説

a・b・c は必須問題です。
d は標準問題になります。

e は電場の基本公式に関する問題なので、

こちらも必須です。

 

 

まだ慣れていない場合は、

繰り返し学習してしっかりと身につけましょう
電位と電場は、

今後の物理学習でも頻出・重要なテーマですので、

早めに理解を固めておくことが大切です。

 


a.

電位・電圧(電位差)を求めるドリル問題です。

計算にあたっては、

キルヒホッフの第2法則を

利用することも可能ですが、
ここでは

「電位を意識して電位差を求める」

という練習を重視してください。

式に頼らず、

感覚的に電位の変化が

捉えられるようになると、
電気の理解が

一気に深まります。

 

すべての問題を暗算で解ける

レベルまで演習を重ねましょう。

 

(1) 

電位の軸を作ります。

アースは0です。

三角形の向きに従って

電位を計算して

書き込みます。

Pの電位5Vになります。

 

(2) 

(1)同様に電位の軸を作ります。

 Pの電位は―10V

 電位で、左側=右側から

   Vx = 5Vはわかります。

 

(3)

電位の軸を作りますが

アースがありません。

低い位置を電位0として

軸を作りましょう。

(2)と同様です。

 

(4)

回路の中に

小さい回路が

あります。

が、

電位は同じです。

電位の

左辺=右辺と

小さい回路での

左辺=右辺

を組み合わせて計算します。

 

(5),(6)は似ていますが

違います。

(5)はPの分岐があります。

Pに電位差が無いので、

Pの位置は等電位です。

素子が無い線上は等電位です。

3本で電位の式を作り、

Pによる小さい回路2個分

を考えて計算します。

 

 

(6)

3本の電位を作ればよく

求まるところから

求めます。

(7)

アースが上と下にあります。

2個の軸があると思えば

良いです。

素子が無い部分は等電位なので、

10 = Vxで

赤の電位が求まり、

Vyも求まります。

 

(8)

電位差0があります。

電位差0は電位=0ではなく

等電位ということになります。

PとQの電位は同じです。

 

軸の高さは同じになります。

Vy=0になります。

Vxの向きが横になってるので、

縦にします。

後は2軸の等式から

求まります。

 


b.

この問題文を

理解します。

等電位面の線は曲線になっていますが、

曲線間の電位差はVです。

 

各位置の電位差は線間の個数を

数えればよく、

電位軸を作成できます。

(1)は求まります。

 

等電位面に垂直になるよう線を

描きます。

密集しているところが大きさ大になります。

電位の大きさではありません。

密集具合が同じような場合、

電位差/距離で実際に計算して

判断します。

 

外力の仕事 = 位置エネルギー差

力学でのエネルギーです。

 

電位の軸を参考にして

符号に気を付けて

計算します。

W(DA)はそれぞれ計算して

和を求めるのではなく、

位置エネルギーは経路に

関係ないので、

直接電位D,Aから求めます。

 

電気力がした仕事を求められる場合は

WE = ―ΔUなので、

逆になります。(エネルギー参照)

 

(5),(6)は

力学的エネルギー保存則を利用します。

運動エネルギーの差が

位置エネルギーの差でも良いです。

 

 

AとBで力学的エネルギー保存則

から計算します。

 

無限遠への到達は、

無限遠で、

運動エネルギーがあれば

よいことになります。

無限遠とDでの

エネルギー保存則から範囲を

求めます。

無限遠での電位0は問題分よりです。

無限遠での電位0なので、Φ3は負

なので、√の中にマイナスがあるのは

正しいことになります。

 


c.

電場の大きさを求める問題です。

電場の大きさは、

電位の傾きです。

1),2)はほぼ傾き一定の電位になるので、

傾きを求めることになります。

外力の仕事=位置エネルギーの変化

から求めます。

 


d.

一様な電場の大きさを

求める問題です。

この問題では、

電場の方向が明示されていないため、
慎重に問題文を

読み取る必要があります。

空間に3つの座標軸(x, y, z軸)が

示されていることから、
「各軸方向に電場があるのではないか?」と

予測を立てながら解くと
正解に近づくことができます。

 

また、一様な電場であることから、
各軸方向の電場も

それぞれ一様(一定)であると

判断できます。

 

1)~3)は、

外力の仕事=位置エネルギーの変化から

電位差、仕事を求めることができます。

求める表現を正しく読み、

正負を間違えないように

計算します。

 

電位差、距離から

電場の大きさが

求まります。

各軸の電場を

求め、

電場の大きさを求めます。

1)~の問いもヒントになり

想定通りもとまりました。

 


e.

球の表面積、体積です。

暗記するものですが

イメージとして

覚えておきましょう。

ガウスの定理より求めます。

電場の大きさは、

単位面積当たりの本数

だから、

電気力線の本数は

E×Sです。

点電荷による電場を求めることができます。

ここから、

クーロン力も計算できます。

 

また、クーロン定数は
真空の誘電率(真空率)を

使って表現されることがあり、
これは大学入試でもよく見られます。

 

したがって、
「クーロン定数 = 1 / (4πε₀)」の

形でも表現できるように、
しっかりと覚えておきましょう。

 

問題の順番で

各情報を求めて

ガウスの定理

N =Q/ε0

から電場の大きさを求めます。

 

対称性より

上面の電場と下面の電場は同じになります。

同じ方法で、

電場の大きさを求めます。