電磁誘導

問題演習解説

標準問題:a, b, c, e
応用問題:d, f

 

これらは、基本問題の応用になります。
間違いが多い場合は、

基本問題の復習をしてから

取り組んでみてください。

 

 

特に f は、ベータトロンに関する

自己誘導電場の問題であり、
少し難易度が高めです。

 

 


a.

[1] 1)~5)

基本問題になります。

間違えないように計算しましょう。

計算方法がよくわからない場合は、

基本問題の復習をしてみましょう。

[2] (5)

導体棒2に電流が流れることで

力が発生して、導体棒2が動き出します。

力の向きは、+x方向です。

導体棒2が導体棒1に衝突しないので、

v1 > v2 が成立します。

6)

力を書き出して、運動方程式を作成します。

[3] 7),8)

運動方程式に代入して計算します。

ジュール熱はRi^2で計算します。

b.

1)

PQに電流が流れることから、

導体棒に力が発生します。

この電流による力を求めることになります。

電流は回路方程式から求まります。

この時,導体棒は停止しているので、

誘導電力は発生しません。

力の向きは、 +x方向になります。

2)

静止摩擦力をfとし、停止時の

運動方程式を作ります。

静止摩擦力よりFiが大きければ

動きだすことになります。

静止摩擦力は最大静止摩擦力以下なので、

動き出す条件がわかります。

3)

導体棒がv0の時、誘導起電力が発生します。

これを含め回路方程式を求めます。

ここからI0を計算します。

 

v0を求めるのに、V = Eになるので、

I0=0とするのは、この問題では

間違えとなります。

もし、I0=0にすると、電流による力=0に

なります。

この問題では、摩擦力があるので、

このままでは、摩擦力により速度0に

なってしまい、問題との整合性が取れないことになります。

4)

一定速度での運動方程式を

求め、3)の結果を含めて

計算するとv0が求まります。

c.

[1] 1)~3)

導体棒が回転する場合の

誘電起電力の復習です。

向きにきをつけて

計算します。

[2]

4) 電流が流れる方向から

導体棒の力の向きがわかります。

ここから、答えは、反時計回り

dになります。

5) P2の誘電起電力を求めて

回路方程式から

電流を計算します。

6) P2の導体棒に加わる力は

電流による力だけなので、

この力が=0だと

等速運動になります。

この状態が、一定加速度になるので、

誘電起電力が左右同じ時が

答える時の状態になり、

電流=0の時になります。

ここから、ω'を求めます。

7)電流=0なので、消費電力も0です。

d.

1)

運動量の変化 = 力積

を利用して速度を求めます。

 

力積を計算することになります。

直接求められないので、

逆から考えていきます。

力積=力×時間

力⇒電流による力

電流⇒誘電起電力

の逆順で求めていきます。

まず、誘電起電力です。

導体棒がありますが、

停止しているので、

導体棒の運動による

誘電起電力はまだ0です。

この状態では、

磁束密度が変化する事で、

誘電起電力が発生します。

 

誘電起電力を求めます。

誘電起電力から電流を求めます。

電流による力を求めます。

Bが時間変化する事を

忘れないようにしましょう。

次に、時間変化する力の力積を求めます。

力が時間変化する場合は

力積は積分になり、計算します。

積分部は三角形の面積になります。

力積が求まったので、

運動量変化からt=t0の時の

速度が求まります。

2)

3)

t>t0では、磁束密度の変化はなくなるので、

1)での誘電起電力=0になります。

今度は、導体棒がx方向に動くので、

導体棒の運動による誘電起電力が発生して

力が発生します。

この力での力積を求めます。

手順は1)とおなじです。

時刻tでの速度をvとして計算します。

力の向き、

Δtでは、力積はそのまま積で良いです。

Δx = vΔt を利用して計算します。

4)

3)の結果が一定なので、

運動量の変化Δ(mv)、変位Δxを

そのまま計算して停止位置を計算します。

e.

[1] 1)

磁束密度が変化する場合の問題です。

向きに注意して計算しましょう。

スイッチが開いているので、

電流は流れません。

2)

電流0なので、

Qの電位は常に0です。

[2] 3)

スイッチを閉じると

電流が流れます。

回路方程式を計算して

電流を求めグラフを描きます。

4)

電流向きがわかるので、

力の向きは中心方向になります。

5)

電位をG基準で求めるほうが

間違いにくいです。

計算してグラフを描終了です。

f.

ベータトロンの問題です。

誘導電場を求める際

戸惑ることもあるので

実践しておきましょう。

1)

円運動するので、

運動方程式を作成します。

力はローレンツ力になります。

vが1個消去され運動量が計算できます。

2)

磁束の変化により、

誘導起電力が発生します。

電位が発生しているから

電場があります。

誘導起電力は1周での電位なので、

電位= 電場×距離(電場一定なら)

なので、電場が求まります。

そもそも電場が発生していることにより

誘導起電力が発生するのですが、

いずれにせよ電場が計算できます。

 

3)

電場があるなら、力が発生します。

接線方向の運動方程式から

運動量の変化が求まります。

運動量の変化=力積でも

良いでしょう。

4)

半径が変更しないので、

常に運動方程式は成立します。

Bが変化した時、vも変化したとします。

運動量の変化が求まり、

3)と比べてΔBが計算できます。

 

ベータトロンの問題は大体同じような

問題になるので、押さえておきましょう。

電磁誘導の問題演習は終了です。

電磁誘導の求め方としては大体

このようなパターンとなります。

向きが間違うことなく求められるように

しましょう。

導体棒の問題は、

回路、力学と結びつけて出題が

されることが多いので間違えた場合、

よく復習しましょう。