すべて標準問題です。
ただし、仕事の求め方や、仕事と運動エネルギーの関係があいまいだと、難しく感じるかもしれません。
この演習では、運動エネルギーの変化が外力のした仕事によって生じること、また、力学的エネルギー保存則について確認します。
さまざまな外力のした仕事の求め方を身につけられるようにしましょう。
すべての問題解説は演習PDFにまとめていますので、学習にあわせてご活用ください。
外力による因果関係を表していることを意識し、それぞれを別々のものとして扱わないようにしましょう。
外力によって加速度(速度の変化)が生じ、
力積によって運動量が変化し、
仕事によって運動エネルギーが変化します。
これらはいずれも、外力が原因となって運動が変化する因果関係を表しています。
力学の問題では、何が原因で、何が起きているのかを、これらの式で表すことが重要です。
この問題は、現象の中で生じる量を求める問題です。 このような問題では、まず物理現象を式で表し、
その後で問われている量を計算することが大切です。
はじめに、各物体の運動方程式を立てます。このとき、摩擦力の向きに注意しましょう。
「A は B 上を距離 L だけ滑って静止した」とは、A と B が最後に同じ速度になったことを意味します。
また、「B 上を距離 L だけ滑った」とは、床から見たときの A と B の移動距離の差が L になるということです。
このタイプは定番問題なので、問題文の表現を物理の条件に正しく直せるようにしましょう。
A と B が同じ速度になることは、摩擦力が内力であるため、運動量保存則で表せます。
さらに、B 上を距離 L だけ滑ることは、運動エネルギーの変化と摩擦力の仕事の関係から表せます。
これらの式から、静止したときの速度と摩擦力を求めます。
さらに、摩擦力 f=μmg より μ を計算します。
ここでの摩擦力は A と B の接触によるものなので、f=μ(m+M)g ではないことに注意しましょう。
複数の現象がありますが、各現象の前後で何が起きているかを整理し、どの法則が当てはまるのかを正しくとらえることが必要です。
1) 円筒面で、静かに離し水平部に移動したときの速度を求めます。
円筒面上を運動している間にはたらく外力は、垂直抗力と重力です。垂直抗力は常に進行方向と垂直なので、そのする仕事は 0 です。
したがって、仕事をする外力は重力だけになります。重力の仕事を円の接線方向ごとに逐一求めて足し合わせるのはかなり大変なので、
この場合は、力学的エネルギー保存則を用います。
経験的にすぐ、力学的エネルギー保存則を使いますが、外力のうち垂直抗力は仕事をせず、重力だけが仕事をすることを確認したうえで、
力学的エネルギー保存則を用いることが大切です。
2) 物体 B と完全非弾性衝突するとは、衝突後に A と B が合体し、同じ速度で運動することを意味します。
衝突の前後では、運動量保存則を用います。
ばねが最大に縮んだときは、速度が 0 になります。したがって、そのときの縮み d を求めます。
d は、ばねの自然長からの縮みなので、ここでは力学的エネルギー保存則を用いて考えます。
単振動を利用して計算することもできますが、この後に単振動に関する問い、
たとえば d になるまでの時間を求めるような問題はありません。
ここでは力学的エネルギー保存則で d を求めるのが適切です。
再びばねが自然長に戻ったときの A の速度は、V です。A が円筒面内で停止するときの高さに対応する、
円筒の中心から測った角度 θ の cosθ を求めます。
1) と同様に、ここでも力学的エネルギー保存則を用います。円筒面内で停止するときの速さは 0 です。
図のように高さを計算して、それを用いて力学的エネルギー保存則を立てれば、cosθ を求めることができます。
最後に、残った B ばねの最大の伸びを求めます。3) と同様に、ここでも力学的エネルギー保存則を用いて伸びを計算します。
問いでは 3) で求めた d との比が求められているので、x/d を計算します。
e. の 5) で登場した 2 式は、2 体問題で頻出の式です。
ここでは、2 体問題の例をいくつか挙げておきます。
・台と小球の問題
小球が最高点に達するとき、台と小球の水平方向の速度が等しくなります。
その後、小球が再び水平部に戻ると、先ほどの 2 式が現れます。
・箱と振り子の問題
小球が最高点に達するとき、振り子の角度も最大になり、このとき箱と小球の水平方向の速度が等しくなります。
その後、振り子が再び角度 0 に戻ると、先ほどの 2 式が現れます。
・ばねと 2 物体の問題
ばねの伸びが最大になるとき、物体 A と B の速度が等しくなります。
その後、ばねが再び自然長に戻ると、先ほどの 2 式が現れます。
このように、この 2 式はさまざまな 2 体問題で現れます。
この 2 式から、速度を求めるときに迷わないよう、定番の計算方法して身につけておきましょう。
