力学演習

運動量保存則(式)

問題解説

 

 

運動量保存則を利用して速度などを求める問題です。

すべて基本問題で、頻出の問題パターンになります。

e. の問題では、衝突を繰り返すため、数列の知識が必要となります。

 

もし解法が思いつかなかった場合でも、内容をしっかり確認し、

必ず解けるようにしておきましょう。


a.

運動量保存則を用いるときは、2物体からなる系に外力が働いていないかを必ず意識しましょう。

ただし、次のような場合には運動量保存則を用いることができます。

 

・衝突時間が非常に短く、外力の力積が無視できる場合
・考えている方向に外力が働いていない場合

 

このため、衝突問題では運動量保存則が成立すると考えてよいです。

例えば
方向についても、衝突時間は非常に短く、
衝突による力に比べて重力の影響はほとんど無視できるため、
運動量保存則を用いてよいと考えます。

 

また、2物体の運動で、外力が働かずに互いの力だけで速度が変化する場合でも、
運動量保存則は成立します。

衝突の問題では、運動量保存則とはねかえり係数を用いることが多いです。

はねかえり係数の定義は少し覚えにくいですが、0<e<1 を考えると、

分母が衝突、分子が衝突と覚えると、感覚的に理解しやすいと思います。

後は、マイナスを忘れないように。

 

また、弾性衝突(e=1)の場合には力学的エネルギー保存則が成立するため、

エネルギー保存則を利用して解くこともあります。

1) 2)

運動量保存則とはね返り係数を用いて求める問題です。

速度の正負を間違えないように注意して計算しましょう。

 

特に、衝突後に進行方向が反転する場合は符号を誤りやすいので注意しましょう。


b.

1)

2)

鉛直方向での衝突において、運動量保存則とはねかえり係数を用いて求める問題です。

 

説明のように、この場合は外力として重力が働いており、厳密には外力 =0 ではありません。

しかし、接触時間が非常に短く、接触力に比べて重力の影響は十分小さいため、

2つの物体の衝突前後では運動量保存則が成立すると考えてよいです。

 

はねかえり係数の計算後、式は V−v となっており、負になる可能性があります。

そのため、厳密には正解として絶対値を付ける必要があります。

ただし、負の場合は V<v となり、小球が台を追い越す状況を表しているため、

絶対値を付けていなくても正解としてよいでしょう。

 

いずれにしても、はねかえり係数が負になる状況があり得るのかを、

物理的に確認しておく必要があります。

 


c.

運動量保存則は、同一の系で、同じ基準(静止または等速で運動する基準)から見た速度を用いて求める必要があります。

この問題では、地上を基準として速度を考える必要があるため、
噴射したガスの地上から見た速度を求める必要があります。

 

相対速度を求める際に正負が分かりにくい場合は、図のように速度を分解して計算するとよいでしょう。

 


d.

2次元の衝突では、運動量保存則は各軸ごとに式を立てます。


e.

1)

2物体の衝突では、外力 =0 と考えられるため、運動量保存則が成立します。

衝突後の速度は、正の方向を決めて、その符号を含めて式に代入するようにしましょう。

衝突だからといって速度を必ず負の方向に書くのではなく、決めた座標の向きに従うことが重要です。

2),3)

n 回衝突を繰り返しますが、各衝突の前後で運動量の和は一定です。

したがって、n 回目の運動量の和は、最初の運動量の和に等しくなります。

4)

運動量保存則と、はね返り係数の2式から、Vnを計算すればよいのですが、
はね返り係数の漸化式が、等比数列になっていることに気づければ求められます。

5)

「何度も」とは、n→∞ とすることであり、( 0 < e < 1 )より、 \( e^{n} \) → 0 になります。



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