熱力学の標準的な問題です。
まずは、現在の実力を確認する目的で解答してみてください。
すべて難なく解けた場合は、実践問題にチャレンジしてみましょう。
苦手な分野が見つかった場合は、「分子論と気体の状態」や「P-V グラフと状態変化」を利用して復習してください。
気体の状態量(圧力・体積・温度)の関係を扱う場合は、まず状態方程式を立てることが大切です。
熱力学第一法則は、熱エネルギーまで含めたエネルギー保存則です。
本サイトでは、 気体が吸収した熱量を𝑄𝑖𝑛、放出した熱量を𝑄𝑜𝑢𝑡、
気体が外にした仕事を𝑊𝑜𝑢𝑡、 外からされた仕事を𝑊𝑖𝑛と表すことにします。
また、理想気体では、内部エネルギー は温度だけで決まります。
そのため、内部エネルギーの変化は定積変化かどうかにかかわらず、
いかなる変化の場合にも 𝚫𝑼=𝒏𝑪𝑽𝚫𝑻が成立します。
熱平衡状態とは、2つの部屋 A、B が熱的に接していて、
十分な時間が経過し、 熱の移動が止まった状態です。
熱は温度差があると移動するため、熱の移動が止まったとき、
2つの部屋の温度は同じになります。
ただし、温度が同じでも、圧力が常に同じになるとは限りません。
圧力が同じになる のは、気体が自由に行き来できる場合や、
可動壁などによって力学的につり合っている場合です。
容器AとBはコックで分かれているので、別々に状態方程式を立てます。
B の状態方程式から𝒏𝑩を求めます。
新しく状態方程式を立てて、圧力を求めます。
4) 容器 A、B 全体を一つの系として考える。
容器は断熱されており、外部に熱源もないため、
系が吸収する熱量は 𝑄𝑖𝑛=0です。
容器A、B の体積は変化しないため、
気体が外部にする仕事も 𝑊𝑜𝑢𝑡=0です。
したがって、A、B全体に 熱力学第一法則を用いると、
𝟎=𝜟𝑼+𝟎 より、𝜟𝑼=𝟎
つまり、この過程では、 内部エネルギーは保存されます。
単原子分子理想気体の内部エネルギーは U=𝟑/𝟐 nRT で表します。
5) 熱平衡状態なので、容器A、Bの温度は等しくなります。
また、コックが開いて おり、容器A、B間を自由に行き来できるので、圧力も等しくなります。
問題の条件より 𝑃𝐵=𝑃𝐴 ,𝑉𝐵 =2𝑉𝐴 ,𝑇𝐵 =𝑇𝐴 なので、式を整理すると、
問題文より、 コックが開いたときは、𝑷𝟏 −𝑷𝟎=𝑷𝟎/𝟐になります。
コックが開き続けている間は、容器 A、B の圧力差が 𝑃0/2に保たれます。
ピストンの運動方程式、気体の状態方程式を立てて、モル数を計算します。
ピストンの運動方程式と気体の状態方程式を立てます。
モル数は変化しないため、状態方程式を用いて圧力と温度を求めます。
ピストンの運動方程式は、[1]と同じになるので、気体の圧力はP1です。
状態方程式も同じになるので、温度も同じT0です。
内部エネルギーは、単原子分子理想気体なので、U = 3/2 nRT です。
内部エネルギーの変化を、気体の状態変化の温度差から計算します。
気体が戻っているときの気体の圧力をPとして、運動方程式を立てて、Pを計算すると、Pは一定になる事がわかります。
この過程では、また、気体の体積は Sh1から Sh0に変化するので、気体が外部にした仕事 𝑊𝑜𝑢𝑡 を計算します。
浮力は、物体そのものではなく、周囲の流体から受ける力です。
そのため、浮力を 計算するときの密度 𝜌には、物体内部の密度ではなく、
外側にある流体の密度を使います。
水中の物体なら水の密度、空気中の気球なら外気の密度で計算します。
特に気球では、内部の気体の密度ではなく、外気の密度で浮力を求めることに注意します。
円柱が水に浮くためには、𝝆𝟎𝑺𝒉𝒈>𝝆𝑺𝒉𝒈 が必要です。
円柱と物体の運動方程式をそれぞれ立てて、
糸の張力は、作用・反作用の関係にあるので、2式を足し合わせて消去します。
気体の密度は、圧力や温度によって変化します。
そのため、地上と上空のように 条件が変わる場合は、密度も変化すると考えます。
この関係は、密度を用いた状態式 として使うことができます。
特に気球の浮力を考えるときは、上空での外気の密度を 求めるために利用します。
1) は状態方程式からこの状態式を導く問題になって います。
モル質量は、1 mol あたりの質量です。気体の質量をモル質量で割ると、物質量を求めることができます。
これを状態方程式に代入して整理すると、一定となる関係式が得られます。
気球の問題では、気球の運動方程式を立て、浮力のつりあいを考えます。
さらに、1) で求めた気体の密度を用いた状態式を利用することが基本です。
この問題では、気球内部の気体と大気の 2 種類の気体について、密度を用いた状態式をそれぞれ立てて求めます。
高度 y における大気の密度を ρ とします。
薄い層に注目して運動方程式を立て、気体の密度を用いた状態式と組み合わせます。
大気の温度は一定であることに注意し、これらの 2 式から関係式を求めます。
気体分子運動論の問題では、式をそのまま覚えるのではなく、手順と用語の意味を合わせて理解しましょう。
慣れないうちは、単位時間あたりで考えるよりも、衝突周期を基準に考えると整理しやすくなります。
力積と運動量の変化の関係では、物体の運動量は外力によって変化することを正しく理解しましょう。
したがって、分子の運動量の変化は、壁 D から受ける力積によって生じます。
一方、壁 D が受ける力積は、作用・反作用の関係より、壁 D が分子に与える力積と大きさが等しく、向きが反対になります。
壁 D が受ける力積 = -壁 D が分子に与える力積
そのため、答えを正にするためだけに 2mvxとするのではなく、どの物体が受ける力積かを区別して考えることが大切です。
力積は「平均の力 × 衝突周期」と表せるので、この関係から平均の力を求めます。
衝突周期は、速度 vxと衝突間の距離 2L を用いて計算します。
アボガドロ数を N とすると、n mol の気体に含まれる全分子数は nN となります。
2) までは分子 1 個に注目していたため、ここでは全分子数を考慮して平均の力を求めます。
気体の圧力は、壁 D が受ける力を壁 D の表面積で割ることで求めます。
体積 V = L^3 で置き換えればよいです。
内部エネルギーは、全分子 nN の運動エネルギーの和です。
計算すると、よく使う公式と一致します。気体分子運動論では、同じような手順で求めることが多いため、
苦手な場合は「何を求めているのか」「どの量に注目しているのか」を明確にしながら復習しましょう。
状態 1、状態 2 について、状態方程式を立てます。
さらに、ピストンが上昇しはじめたときの運動方程式を立てて、問題を解きましょう。
運動方程式から、ピストンの質量を求めることができます。
状態 1 から状態 2 の過程では体積変化がないため、気体がした仕事は 0 です。
また、この問題では内部エネルギーの変化を求めるときに、Cv を用いることに注意しましょう。
単原子分子とは書かれていないため、2/3 R は利用できません。
この状態変化では、体積変化は Sh です。
状態変化の過程でピストンの運動方程式を立てると、気体の圧力は 2P0で一定であることがわかります。
したがって、気体がした仕事は 2P0×Sh となります。
気体が吸収した熱量を求めるときは、熱力学第一法則Qin=Wout+ΔUを利用します。
Woutは 3) で計算しているため、ここでは内部エネルギーの変化 ΔU を求めればよいことになります。
内部エネルギーの変化を求めるには温度変化が必要なので、状態 3 の温度を求めます。
気体の比熱は、Qin=nCpΔT の定義を利用して求めます。
この式と熱力学第一法則から得られる式を比較すると、Cpの関係式、すなわちマイヤーの関係式を導くことができます。
マイヤーの関係式は、問題文に与えられていなくても解答で用いる場合があるため、覚えておきましょう。
P−𝑉 グラフの問題、特に熱効率に関する問題では、
状態推移の各過程について 熱力学第一法則に必要な、
気体が吸収した熱量 𝑄𝑖𝑛 、放出した熱量 𝑄𝑜𝑢𝑡 、
気体が 外部にした仕事 𝑊𝑜𝑢𝑡 、内部エネルギーの変化 𝛥𝑈 の表を作ることが大事です。
表の総計では、∑𝛥𝑈=0 ,∑𝑊𝑜𝑢𝑡 = ∑𝑄𝑖𝑛− ∑𝑄𝑜𝑢𝑡
∑𝑊𝑜𝑢𝑡 は、P-Vグラフにおいて熱サイクルで囲まれる面積 に等しくなります。
サイクルで囲まれる面積は、求められる多角形の場合は確認できます。
ただし、正確には面積には正負があり、
時計回りの場合は正、反時計回りの場合は負になります。
これらの関係が成立していない場合、どこかで計算ミスしている可能性があります。
そのため、表を作ることで計算結果をチェックしやすくなります。
この表を使って、熱効率 𝒆=∑𝑾𝒐𝒖𝒕 / ∑𝑸𝒊𝒏 を求めます。
熱効率は、熱サイクルに与えた 熱量のうち気体がする仕事の割合なので、
分母と分子を取り間違えないように、
熱効率の定義を正確に覚えておくことが大切です。
サイクルの表は、問題を解きながら作成していきます。
問題で直接問われていない量も、必要に応じてその時点で求め、表に書き込むようにしましょう。
A→B過程は、 定積で、𝚫𝑽=0なので、Wout=0です。Bの温度は、状態方程式から求められます。
内部エネルギー、気体が吸収した熱量を計算します。
B→C過程は、等温なので、内部エネルギーの変化 ΔU = 0 です。
この過程での外部にした仕事はW2 と問題にあるので、気体が吸収した熱量を計算します。
C→A 過程は定圧過程です。
まず、気体が外部にした仕事を計算します。ただし、解答では外部から受けた仕事
Winとして答えるため、符号に注意します。
内部エネルギーの変化も、減少量であることに注意して求めます。
また、気体から奪った熱量とは、気体が放出した熱量のことなので、
こちらも符号に注意して解答しましょう。
熱効率は表から計算すればよいです。
