力学のはじめとして、運動方程式を立てる問題です。
運動方程式を立てるために必要な外力の見つけ方を中心とした演習であり、すべて基本問題で構成されています。
この演習を通して、物理問題を解く基本的な流れを身につけましょう。
物体に働く外力を図示する問題です。
外力は、接触している物体から受ける接触力と、本問では重力です。
まず、どの物体と接触しているかを確認し、それぞれの力の向きを正しく決定しましょう。
また、物体の運動は外力の合力の向きによって決まることにも注意しましょう。
物体Aが接触しているのは、滑らかな床と物体Bです。
したがって、物体Aに働く外力は、床から受ける垂直抗力、物体Bから受ける接触力(抗力)、および重力です。
物体Aが接触しているのは、粗い床、上に乗っているBさん、および糸です。
したがって、物体Aに働く外力は、床から受ける垂直抗力、床から受ける静止摩擦力、Bさんから受ける接触力(垂直抗力)、
Bさんから受ける摩擦力、糸から受ける張力、および重力です。
間違えやすいポイントは、Bさんから受ける摩擦力と、床から受ける静止摩擦力の向きです。
AとBを一体として考えるのではなく、AとBそれぞれについて別々に力を書き出すことが大切です。
Bさんに働く外力について考えてみましょう。
Bさんが接触しているのは、物体Aと糸です。
したがって、Bさんに働く外力は、糸から受ける張力、Aから受ける垂直抗力、Aから受ける摩擦力、および重力です。
張力と垂直抗力の向きは、接触の状況から決まります。
摩擦力の向きは、Bさんが静止していることから、張力を打ち消す向きに働くと判断できます。
感覚的には、糸に引っ張られたときに踏ん張って地面をける方向に力を出しているように感じます。しかし、
その力は「自分が他物体に及ぼす力」であり、自分に働く外力ではないことを理解しましょう。
したがって、AがBさんから受ける摩擦力の向きも決まります。
この摩擦力は張力と同じ向きになります。
Aは静止しているので、水平方向の力はつり合っています。
したがって、床から受ける静止摩擦力は、張力およびBさんから受ける摩擦力を打ち消す向きに働かなければなりません。
物体Aが接触しているのは、粗い床、物体Bとつながれた糸、および物体Cとつながれた糸です。
したがって、物体Aに働く外力は、床から受ける垂直抗力、床から受ける動摩擦力、BとAをつなぐ糸から受ける張力
CとAをつなぐ糸から受ける張力、及び重力です。
ここで、Aは上昇すると問題に与えられています。
したがって、斜面方向(運動方向)の合力は上向きである必要があります。
もし二つの張力が等しいと仮定すると、斜面方向の力のつり合いから、上向きの合力を生じさせることができません。
この仮定は「上昇する」という条件と両立しないことが分かります。
したがって、二つの張力は等しくありません。
間違えやすい点として、Cを引っ張る力を外力として書いてしまう場合があります。
しかし、それはAがCに及ぼす力であり、Aが受ける力ではありません。
Aが受ける力のみを外力として図示することが重要です。
2)および 3) と同様に、AとBを別々に考え、Aが受ける力だけを整理します。
物体Aは、粗い斜面および物体Bと接触しています。
したがって、Aに働く外力は、斜面から受ける垂直抗力、斜面から受ける動摩擦力、Bから受ける垂直抗力
Bから受ける静止摩擦力、及び重力です。
Aが上昇していることから、Bから受ける静止摩擦力は斜面上向きであることが分かります。
一方、物体Bについて外力を考えると、Bは静止しているので、斜面方向の力はつり合っています。
したがって、Bの動摩擦力は下向きとなり、その反作用となるAが受けるBからの摩擦力は斜面上向きになり
あっていることになります。
また、3) と同様に、Bを引く力 F はAに直接接触していないため、Aの外力には含まれません。
物体Aは、物体Bおよび粗い床に接触している。
したがって、Bから垂直抗力と摩擦力を受け、床から垂直抗力と摩擦力を受け、さらに重力を受ける。
ここで、床からの摩擦力の向きが問題となる。
Aは静止しているので、床からの摩擦力は、Bから受ける水平方向の力を打ち消す向きに働く。
次に、物体Bの外力について考える。Bが接触しているのはAのみである。したがって、Aから垂直抗力と摩擦力を受け、さらに重力を受ける。
Bの水平方向の力を考えると、BはA上で静止しているため、水平方向の合力は0である。
したがって、AからBへの水平方向の力(摩擦力)は0となる。
ゆえに、Aが静止するためには、床からの摩擦力も0でなければならない。
したがって、この問題では床からの摩擦力は0である。
力を設定する段階で摩擦力を仮定すること自体は正しいが、A・Bがともに静止している条件を用いると、本問では摩擦力は結果として0となる。
やや難しい内容であるため、摩擦力を書き込んでいた場合は△としてよいだろう。
5)と似ている問題であるが、異なる点は、Aが滑らかであるため、BがA上を降下していることである。
Aの接触相手は、粗い床と物体Bである。したがって、Aは床から垂直抗力と摩擦力を受け、
Bから垂直抗力を受け、さらに重力を受ける。
Aは静止しているので、水平方向の合力は0である。
したがって、床から受ける摩擦力は、Bから受ける水平方向の力を打ち消す向きに働く。
次に、Bの外力を考える。
BはAと接しているのみであるから、Aから垂直抗力を受け、さらに重力を受ける。
Aは滑らかであるため、BとAの間に摩擦力は働かない。
Bに働く水平方向の力は、Aから受ける垂直抗力の水平成分である。
この水平成分によりAは押されるが、Aは静止しているので、床からの摩擦力はこの力と反対向きに働く。
したがって、床からの摩擦力の向きは右向きとなる。
各物体について運動方程式を立てる。
運動方程式は、それぞれの物体に働く外力を求め、式を立てる。
以降の問題では、これらの運動方程式を用いて、求める量を解けばよい。
加速度を求めます。
作用・反作用の関係にある外力は、式どうしを足し合わせると打ち消し合うことがあります。
そのように整理していくと、加速度を求めやすくなります。
運動方程式から解を求めるときは、作用・反作用の関係にある外力を式どうしで足して消していくと、
全体の様子が見えやすくなることが多いです。
摩擦力は、物体が静止しているときの静止摩擦力と、動いているときの動摩擦力を分けて考えるようにしましょう。
静止摩擦力は、不等式で表され、動き始める瞬間が等号の時であることを押さえておきましょう。
一方、動摩擦力は、一定値として扱います。

粗い斜面上で静止している場合の運動方程式を、斜面に平行な方向と垂直な方向についてそれぞれ立てます。
静止しているので結果的にはつり合いの式になりますが、加速度を0として運動方程式の形で書く方法がおすすめです。
さらに、静止摩擦力への不等式が必要です。
θ=30°だと物体は動き出します。動いているときの運動方程式を立て、加速度を求める。
このとき、摩擦力は動摩擦力となり、その大きさは一定である。
運動方程式から加速度が求まる。
加速度から速度、速度から位置は時間積分によって求められ、
逆に、位置から速度、速度から加速度は時間微分によって求められる。
特に、加速度が一定の場合、速度は時間に対して直線となり、位置は時間に対して放物線となる。
最後に、これらを求める際には、t=0などの初期条件を必ず用いることに注意しよう。
物体に働く外力は重力のみである。
これまでと同様に運動方程式を立て、加速度を求める。
加速度は、x方向では0、y方向では −g と一定である。
したがって、速度および位置を時間の関数として求めることができる。
このとき、初期条件
t=0の時、
vx=v0cosθ, vy=v0sinθ
x=0, y=0
を用いることを忘れないようにしましょう。
速度および位置を求めることができた。
ここまでが物理の問題であり、以降は主に数学的な処理となる。
まず,y が最大となる時刻と、その最大値を求める。
速度や放物線の性質を利用して問題を解く。
y が最大となるのは、vyの速度が0になる瞬間である。
これは、上向きの速度が減少して反転する点であり、直感的にも現実の運動と一致している。
t1はvy=0となる時刻です。y最大値はy(t1)で求められる。
あとは計算すればよい。
再びy=0となる時刻を求める。
放物線は頂点の軸に対して対称であるため、t2はt1の2倍になります。
8)は、その時のx(t2)を計算すればよい。
計算で間違えた場合は、文字式の扱いに慣れていないことが原因であることが多い。
何度も練習して慣れていくとよい。
最初は扱いにくく感じるかもしれないが、慣れればそれほど面倒ではない。
一方で、放物線の性質や現象的な考察に触れず、純粋に数学的に計算する方法もある。
y(t)は2次関数であるから、平方完成を行えば、平方完成してyの最大値と最大となる時刻を求めることができる。
また、y=0とおいてそのまま2次方程式を解けばよく、得られた時刻t2を用いてx(t2)を計算すればよい。
どの解法を用いるかについては、いずれも適切であり、両方の方法を理解しておくことが大切である。
平方完成によって求められる位置は放物線の頂点であり、これは極大値を与える点、すなわち微分して0となる位置に対応している。
yを時間で微分したものは速度であるから、vy=0となることが、感覚的にも数学的にも一致していることがより明確にわかる。
このように、物理的な表現と数学的な表現を結び付けて理解することが重要であり、
どちらの立場からでも同じ現象にアプローチできるようになることが大切である。
感覚的にはθ=45°と予想できるが、数式を用いて最大となる角度を求める問題である。
そのまま微分して最大値を求めることも可能であるが、
2倍角の公式を用いるほうが、数学の問題としても良い。
sin2θの式となり、その最大値を求めればよく、θ=45°で最大となることがわかる。
加速度から速度、速度から位置は時間積分によって求められる。
逆に、位置から速度、速度から加速度は時間微分によって求められる。
したがって、速度―時間グラフや加速度―時間グラフでは、
接線の傾きや面積を利用することで、加速度・速度・位置を求めることができる。
このようなグラフを扱う問題では、横軸と縦軸がそれぞれ何の物理量を表しているのかを正しく確認することが重要である。
鉛直方向の高度はyで表せ、yは、vy-tグラフの面積として求めます。
問題は、最高高度なので、正の面積が最大となる面積が最高高度になります。
グラフより、t=300[s]のときに最大となることがわかるので、そのときまでの面積を求めればよい。
AB間の水平距離は、vx-tグラフにおけるt=0[s]から1200[s]までの面積を求めればよい。
しかし、問題にはvx-tグラフは与えられておらず、ax-tグラフが与えられている。
したがって、まずax-tグラフからvx-tグラフを作成する必要がある。
vx-tグラフは、ax-tグラフを時間について積分することで求められる。
今回の問題では加速度は一定、すなわち等加速度運動であるから、vx-tグラフは、直線で表される。
また、ax=0の区間では等速度運動となる。
以上を各時間区間ごとに整理し、vx-tグラフを作成する。
最後に、各時刻における速度は、ax-tグラフでその時刻までの面積を求めればよい。
求めるべき、水平距離は、t=0[s]から1200[s]までの面積を求めればよい。
ay-tグラフは、vy-tグラフの傾きから求めることができる。
これは、2) でax-tグラフからvx-tグラフを作成したときとは逆の操作、すなわち微分にあたる。
y-tグラフは、vy-tグラフの面積から求めることができる。
vy-tグラフにおいて直線の区間は、積分すると放物線(2次関数)となる。また、一定速度の区間は、積分すると直線となる。
グラフは正確に描く必要があるので、まずt=0[s]から300[s]までについて、実際に関数を求めてみる。
t=900[s]から1200[s]までは、vyが負になるだけであるから、t=0[s]から300[s]の部分を対称にしてグラフを描けばよい。
各時間区間ごとに積分して関数を求めればよいが、その際には、その区間の開始時刻からの積分だけでなく、
それまでに進んだ距離(それ以前の面積)を加えることを忘れないようにしよう。
グラフを描くとき、2次関数の区間では頂点を正確に押さえることが重要である。
また、各区間の開始時刻と終了時刻では速度が一致しているため、
その点での接線の傾きも一致する。したがって、グラフは接連続、折れ曲がらず、滑らかにつながるように描く必要がある。
加速度・速度・位置のグラフを扱う問題は、数学的に処理する解法が一般的である。
しかし、このような場合でも、グラフを視覚的に捉えることで直感的に解くことができる。
そのような感覚的な理解も大切である。
やや難しかった、y-tグラフの作成について、 t=0[s]からt=300[s]を例に考える。
まず、vy=0に注目する。問題 d では自然に捉えていたが、これは速度が反転する時刻、あるいは速度が極値をとる時刻にあたる。
グラフがvy=0を境に正から負へ変化していれば反転であり、符号が変わらなければ、
その点では速度はそのまま同符号で変化を続けることになる。
最大位置を求める場合、多くはvy=0となる時刻に対応する。
このとき、グラフは微分=0なグラフでは微分が0となるため極値をとる。特に放物線であれば頂点にあたる。
したがって,vy=0となるt=0[s],t=300[s]は放物線の頂点に対応する。t=0[s]は速度が正なので、下に凸の放物線、
t=300[s]は速度が負なので、上に凸の放物線ということがわかります。
t=100[s]は、速度が直線的に変化する区間から一定となる時刻である。このときvyの値は連続であるため、グラフの接線の傾きも一致する。t=100[s]からt=200[s]の等速度区間は、放物線の接線として自然につながることがグラフの形から理解できる。
t=200[s]からt=300[s]は再び放物線となり、t=300[s]で頂点をとるため、その形も連続的に決まる。
各時刻における位置は、対応する面積を求めればよく、その結果をもとにグラフを描けばよい。
